コンサルティング
Googleストリートビュー時代の不動産仲介サイトとは?
今までの営業・広告手法が通用しなくなる日
遂に登場したGoogleストリートビュー。今までの不動産仲介サイトのあり方を根底から覆すこのサービスにあなたはどう立ち向かうべきか。急激に落ち込むネット反響、効果の出ない現地売出し。その原因と対策を公開します。
- なぜ、今までの営業広告手法が通じなくなったのか?
- サイトへのアクセスが増えても売上げが伸びない理由。
- どうしてネットユーザーは成約するのが難しいのか?
- Googleストリートビューがもたらす本当の脅威とは?
- SEO対策は時代遅れ!?急成長サイトとの決定的違い。
- レインズ一般公開!?その時あなたは生き残れますか?
- 不動産仲介サイトは第四世代へ。新世代への傾向と対策。
- 知らないでは済まされない!今どきネットユーザー気質。
- 営業新時代。これからの営業マンに求められる能力。
- ズバリ!Googleストリートビュー時代の勝ち組戦略。
なぜ、今までの営業・広告手法が通じなくなったのか?
不動産営業の三種の神器といえば、
「折込チラシ」「現地売出し」「ポスティング」。
景気の良いときも、悪い時も、不動産業界はこの
営業・広告手法を軸に売上げを伸ばしてきた。その神通力が最近めっ
きり効かなくなってきたという。そればかりではない。この3つに
加え、営業力の強い会社が使う、裏三種の神器と呼ばれる「捨て看板」
「飛び込み」「電話営業」までもが、反応が悪いという。
長年にわたって、不動産業界で絶大な効果を発揮してきたこの営業・ 広告手法。その神通力はなぜ急速に落ちてきたのだろう。そこには インターネットがもたらした情報化社会が大きく影響している。
インターネットが家庭に普及する以前、不動産情報は特殊な情報とい う位置づけだった。そのため、情報を必要とする人も、提供する側も 手段も限定されていた。不動産情報を必要とする人は「チラシ」や 「現地売出し」「ポスティング」などでしか情報を入手できなかった のである。
当然、詳細な情報は営業マンに頼るしかなく営業マンとの繋がりは強 くなっていった。その結果、営業マンとお客様の接触頻度は増し次第 に人間関係が構築され、成約する確率は高くなっていった。それが、 インターネットの普及と共に変化してきたのである。インターネット が普及すればするほど「チラシ」や「現地売出し」「ポスティング」 などに頼らなくとも情報を入手することができるようになっていった のである。不動産情報はインターネットの出現によって、どんどん身 近な情報となり、営業マンを介さずとも、いつでも気軽に入手できる ようになっていった。その結果、営業マンとお客様との接触頻度は少 なくなり、また接触する方法も、直接会ったり、電話で話したり、と いうアナログな方法から、メール等によるデジタルな方法へと変わっ ていった。
もうお客様は、情報を得るためにしつこい営業や売り込みに悩まされ るリスクを冒さくてすむようになったのである。一度、ラクな方法 (蜜の味)を覚えると後戻りができないのが人間の習性。デジタルな 方法での情報収集に拍車がかかっていったのである。アナログなお客 様にはアナログな営業が効果を発揮する。デジタルなお客様にはデジ タルな営業が効果を発揮する。しかしアナログな対応を希望するお客 様の絶対数が減少している今、それだけに頼っていては、ジリ貧にな るのは避けられないだろう。
サイトへのアクセスが増えても売上げが伸びない理由。
ホームページへのアクセス数は増えているのに、成約が伸びない。 と悩んでいる不動産会社は多い。特に、SEO対策を一生懸命してい る「売上げに熱心な業者」ほどその傾向が強いようだ。高額なSEO 対策費用をかけて、検索エンジン対策はしてみたものの、アクセス 数の増加と成約は比例しないケースがほとんど。その原因のひとつ にユーザーの検索能力の向上がある。1995年にインターネットが日 本に普及して以来、私たちを取り巻くネット環境は日進月歩の進化 を遂げてきた。以前は一部のマニアだけの世界だったインターネッ トも今では主婦をはじめ、老人、子ども世代でも当たり前のように 使われている。
当然、検索する能力も格段にアップしてきた。必要な情報を探すの に労を惜しまない、そんな人々が急増しているのである。彼らは一 瞬にしてサイトを判断し、「ふるい」にかける。かける「ふるい」 は3つ。情報収集するのに都合のいい便利なサイト。買うんだった らこんなサイトからとお気に入りに追加するサイト。 たまたま検索 で引っかかったから見てみたけれど期待はずれだったというサイト。
買うんだったらこんなサイトという判断が下されればいいがそれ以 外の判断がくだされるといくらアクセスが増えても成約にはならな い。ましてや期待はずれというレッテルがはられるようなサイトで はSEO対策しても意味がない、お金のムダである。それほどサイト の内容と成約には深い関わりがある。
インターネットの世界には、SEO対策してアクセスを増やすと売上 げが上がるという信仰がある。しかしそれは、幻想。大切なのはア クセスを増やすことではなく、このサイトから購入したいというサ イトづくりをすることであり、お気に入りに加えてもらうことであ る。不動産サイトはどこも同じ、アクセスさえ増えれば売上げが上 がるという安易な発想を捨てないかぎり成約には結びつかない。
どうしてネットユーザーは成約するのが難しいのか?
ネットの客は難しい。よく聞くセリフだ。
しかし、同じようなセリフは、住宅情報が登場した頃にもよく聞いた。住宅情報の客は難し
いと。果たして、その通りなのだろうか。唯一、どちらにも共通し
ていることは、お客様が簡単に情報収集できる媒体からの反響客だ
ということだ。
実は、ここに原因がある。つまり、簡単に情報収集できる媒体から は、お気楽な客が流れ込むからだ。インターネットはその利便性、 気軽さから多くの見込み客を集客できる。裏を返せば、今すぐ購入 するわけではないけど・・・という冷やかし客や、そのうち客も多く 集客することになる。それを今までのアナログ営業のお客様と同様 に対処していては苦労ばかりで報われない。ネットの客は難しいと いうことになってしまう。
難しいのはネットの客ではなく、ネットの客のなかから今すぐ購入 する本気の客を見極めること。そこを勘違いして客のせいにしてい るケースが多い。見極めさえできれば、成約率は大きく上がる。 ムダな追客に費やす時間も減り、成約数も増えることになる。
ただひとつやっかいなのは、デジタルの世界に慣れ親しんだ見込み 客には彼らに適したコミュニケーションの方法があるということだ。 いきなりアナログな方法で客の見極めをしようとしても嫌われるだ け。それなりのプロセスを踏む必要がある。このプロセスの方法、 見込み客とのコミュニケーションの取り方が、ネット客を簡単に成 約できる客にも、難しい客にも変えてしまうのである。ネット客が 特殊だから成約するのが難しいのではない。ネット客とのコミュニ ケーションの取り方が不慣れだから成約するのが難しいのだ。
Googleストリートビューがもたらす本当の脅威とは?
遂にというか、とうとうというかGoogleがストリートビューを公開 した。ストリートビューとは、言うまでもなく地図上の街が写真で見 れるというサービス。自宅の住所を入力すると、そこにわが家の写真 が現れ、道路をクリックすると写真が動き、近所を散歩することがで きるのだ。地方ではまだまだ普及していないサービスだが、首都圏や関西圏ではそのあまりの精度の高さに衝撃が 走っている。正直、このサービスで不動産仲介業は激変するだろう。 直接的な変化でいえば、営業マンが案内する件数が激減する。もう今 までのように、取り敢えずご案内しすという手法が使えなくなってく る。案内する前にGoogleストリートビューでお客様が現地を確認する ことができてしまうからだ。場合によっては、ストリートビューでチェ ックしたら外観がイマイチだったので案内は結構です。ということも 起こるだろう。それだけではない。今まで写真の数で他のサイトと差 別化していた会社は、その優位性を失うことになる。何しろ住所さえ 教えれば外観写真だけでなくご近所の様子まで見ることができるのだ。 真剣に考えている人ほど活用することだろう。しかし、不動産業界に とって本当の脅威はそんなことではない。本当の脅威は、このサービ スによってお客様とのコミュニケーションが取りにくくなることにあ る。案内が減るということはお客様と直接会って話す機会が減るとい うこと。
つまり人間関係を構築する場が減るということになる。ただでさえア ナログな営業・広告手法での集客が困難な時代にせっかく見つけたア ナログな見込み客ですら次の案内が取りにくくなる。それだけではな い。ストリートビューによってお客様が勝手に写真だけで判断するよ うになる。写真はあくまで写真。実際に現地を見ると予想以上に良か ったということは良くあることだが、お客様が五感で感じる前に物件 を判断してしまうケースが増えてくる。
現場を良く知る営業マンと写真だけで判断するお客様、先入観を持っ たお客様を説得するのには時間も能力も必要になってくる。Googleス トリートビューの登場によって合理的に追客できるようになった反面、 今までのようなコミュニケーションの取り方や人間関係の構築の仕方、 説得の仕方は難しくなる。新時代に適応した新しいコミュニケーショ ンの取り方が勝ち組へ残るための鍵となる。
SEO対策はもはや時代遅れ!?急成長するサイトとの決定的な違い。
相変わらずインターネットの世界では、売上げアップにはSEO対策、 SEO対策を制すものが業界を制すとSEO対策が唯一の売上げアップの 方法のように騒がれている。もっとも騒いでいるのは、SEO対策のノ ウハウを売ってひと儲けしようとしているIT関連の会社と、その間 違いに気づいていないネット営業に不慣れな不動産業者だ。
確かに、SEO対策が効果を残した時代もあった。ユーザーの検索能力 が低かった時代だ。現在のような光ファイバーを利用したネット環境 ではなく、アナログな電話回線を利用していた時代。サイトを表示す るのに時間のかかった時代には、それなりの効果があった。しかし、 今は違う。各家庭に当たり前のように光ファイバーが利用され、無線 LANでどこでも快適にインターネットを利用できる時代。以前のよう にサイトを表示するのに数十秒などというイライラはない。どこでも スイスイ、ビュンビュンというネット環境を手にしたユーザーは圧倒 的な検索能力も手にした。その結果、欲しい情報を得るためには労を 惜しまない、そんな人々が急増したのである。裏を返せば、どんなに SEO対策して検索結果の上位に表示されてもユーザーを魅了する内容 や情報がなければ無視されるということだ。
もっともSEO対策という、こざかしいテクニックによって売上げを伸 ばそうという考え自体が間違っているのかもしれない。もし仮に、SEO 対策で売上げが上がるのなら商売は簡単だ。お金をかけて検索エンジン の上位表示されることだけに集中すればいいのだから。しかし、現実 はそうならないからおもしろい。資本力だけではトップに立てないの が商売のおもしろさ。それを知っている人々は、SEO対策などという こざかしいテクニックには走らない。もっと本質的なもの、SEO対策 などしなくても売上げが伸びる方法に知恵を絞っている。
それは何か?例えば、Googleのストリートビュー。例えば、YouTube。 リアルな世界では、旭川動物園やキッザニア東京。すべて今までにな い、切り口(コンセプト)だ。彼らには集客のための努力は必要ない。 黙っていても口コミで広がっていくコンセプトを持っているから。
新しい切り口(コンセプト)を持ったサイトづくりこそが急成長する サイトの鍵になる。どこにでもあるありふれたサイトのありふれた商 品を他人と同じ方法で売ることほど大変なことはない。ということを 肝に銘じておくことだ。
レインズ一般公開!?その時あなたは生き残れますか?
もしも、レインズが一般公開されたら・・・ どうなるか想像できるだ ろうか?日本最大の物件量を誇る巨大な不動産ポータルサイトの出現。 もちろん、そんなことは絶対にあり得ないと一笑に付すのも自由だが、 今からその時に備え真剣に考えている人がいることも事実だ。物件の 情報量としては日本最大、このサイトに来ればほとんどすべての物件 情報が閲覧できる。不動産業者が物件確認するのと同じように一般の お客様が資料請求できるサイト。売却物件をたくさん持っている業者 には圧倒的に有利なことは言うまでもない。何しろ仲介手数料を両手 にする確率が格段に高まるのだから。逆に、今まで客付け営業を主体 にしてきた不動産業者は大打撃を被る。もっと端的にいえば、売却物 件をたくさん持つ大手不動産会社や一部の物上げノウハウを持った業 者以外は生き残れなくなるだろう。
しかし、中小不動産会社にまったく勝ち目がないわけではない。いや、 むしろ準備さえ整えておけばその時をチャンスに変えることもできる。 簡単に説明しよう。レインズを日本最大の百貨店だと考えるとわかり やすい。ここに来ればすべての商品が揃う。しかし、あまりの規模の 大きさに戸惑う客もいる。商品の数が多すぎて何を選んだらいいのか わからない、販売業者が多すぎてどこに相談したらいいのかわからな い、と迷ってしまう人だ。そんな人々をターゲットにする。それが専 門店であり、セレクトショップなのだ。
もちろん百貨店に出店してい る業者もその中で差別化するために専門店やセレクトショップを展開 することだろう。だから、ありきたりの品揃えや知識、スタッフの能 力では対抗できない。彼らを上回る品揃え、知識、スタッフの能力が 必要となる。逆にそれらが準備できればレインズという百貨店は怖く ない。問題は、一朝一夕にはそんな準備ができないことだ。目先だけ に囚われず、中長期的な視野を持つ会社だけが生き残れる時代がはじ まった。
不動産仲介サイトは第四世代へ。新世代への傾向と対策。
インターネットが私たちの生活に関わりはじめてかれこれ13年。 ネット環境の整備と共に不動産仲介サイトも大きく変化を遂げてきた。 目まぐるしく変わる不動産仲介業の成功パターン。ネットの世界は ドッグイヤーといわれるように、今日の成功もすぐに過去のものとな る。だからこそ、過去の成功パターンを振り返りながら今後の予測を 立てることは重要なことだろう。
不動産仲介サイト第一世代(インターネット導入期)。
まだインターネットを利用した不動産仲介業が疑問視されていた頃。
その頃の成功のカギは情報の量だった。とにかく大量の物件情報を
サイトに掲載する、それだけで差別化できた時代だ。今から思えば
楽な時代だが、インターネットという新しい媒体に賭ける「勇気」
のいる時代だった。その後、徐々にネットが私たちの生活に浸透し
ていき、不動産仲介サイトは第二世代(インターネット成長前半期)
を迎える。この時期の成功のカギは、掲載情報の量と検索のしやす
さ。写真や動画、マイページ機能など不動産仲介サイトがどんどん
高機能化になっていった時期である。ユーザーの検索能力がまだ高
くなかった頃であり、簡単に情報が取り出せるということが魅力だ
った時期だ。そして次に第三世代(インターネット成長後期)を迎え
る。この時期の成功のカギは、たくさんの情報のなかから取り出した
情報に提案が含まれていることだ。身近な例では、Amazonがある。
Amazonで商品を買うと「この商品を購入した人はこんな商品も買って
います」と必ず提案してくる。あの提案だ。大手不動産会社を中心に、
検索結果に「この物件を見た人はこんな物件をチェックしています」
と提案するようになった。提案を含んだ情報を提供することが成功の
カギとなった。では今後はどうなるのか?今後は第四世代(インター
ネット成熟期)に突入することになる。第四世代とは、インターネッ
トが生活の一部となり、ユーザーの検索能力が格段に向上した時代で
ある。情報を収集するのに苦労はしないが、取得した情報の判別に自
信のない人が増える時代である。信頼できる人の判断が含まれた情報
を提供すること、それが第四世代の成功のカギとなる。信頼は一日に
して得られず。ネットユーザーは猜疑心が強い。信頼というあいまい
な概念をどう証明するかが勝ち組の要件となる。
知らないでは済まされない!今どきネットユーザー気質。
敵を知り己を知れば百戦危うからず。のことば通り、インターネット の世界で成功を収めるにはネットユーザーの性質を知らなければ勝て ない。アナログな世界とは一線を画すデジタルな世界の住人。彼らの 性質を整理してみよう。
まず、住まい探しに対する真剣度。残念ながら、これは圧倒的に薄い。 もちろん真剣に探している人もたくさんいるが、そうでない人も多く 混じっている。見込み客の見極めがカギとなる。次は見込み客の寿命。 これは意外と長い。真剣度が薄いということとも関係するが、真剣度 が薄い=買わない客ではない。購入する意思はあるが、まだまだ時期 は先という人が多いということ。探し始めてから購入まで1年、2年 は当たり前。3、4年前の見込み客が成約になるということもめずら しくない。見込み客の育て方、管理がポイントとなる。
次は性格。細かい人が多い。やたらと質問してくる人が多い。とにか く調べるのが好きで好奇心旺盛な人が多い。お客様は神様だという姿 勢で何でもハイハイと付き合うと痛い目に遭う。かといって、邪険に 扱うと突如クレーマーに変身する人も多い。お客様のあしらい方には 細心の注意が必要。
次にネットの利用の仕方。複数のサイトを臨機応変に使い分ける。 情報量は客の方が多いと思った方が賢明。たくさんの見込み客を抱え る営業マンよりはるかに情報を持っている。セミプロ化している人も 多く、知ったかぶりをすると一気に信頼を失う。必要な情報を得るた めには労を惜しまない人が多い。欲しい情報、自分にぴったりと思え るサイトが見つかるまで根気よく探す。広告は信用しないが、情報は 信用する。自分で調査、比較検討、判断して購入できる人もたくさん いるが、情報過多になり決断力が鈍っている人も多い。信頼できる人、 サイトを探している。一度、信頼した人の意見には意外と素直に従う。 メールのやりとりでは威圧的でも、会ってみると普通の人が多い。デ ジタルな付き合いからアナログな付き合いへ持って行けるかがカギと なる。
営業新時代。これからの営業マンに求められる能力。
今、その昔「ヤリ手営業マン」といわれた人々が苦しんでいる。 コイツにまかせたら大丈夫というエースが営業成績に悩んでいる。 原因は、彼らの営業力が落ちたからだろうか?今の時代に通用しな くなったからだろうか?実は、そうではない。彼らの営業力が落ち たからでも、彼らの営業力が通用しなくなったのでもなく、彼らの 営業力を発揮する場が減っただけなのだ。
今まで営業力といえば、お客様を説得する能力だった。 いかに短期間に集中してお客様を説得できるか、その能力の差が成 績の差だった。そのため、彼らは必死になってお客様に会い、案内 し、説得したのだ。しかし、最近はそのお客様と会う機会が減った のだ。インターネットの普及によってお客様は、以前とは比べもの にならないほど簡単に情報を得ることができるようになった。昔の ようにオープンハウスに行かなくても、チラシを見て問い合わせを しなくても、欲しい情報はインターネットで簡単に取得できる。 その結果、営業マンとお客様が直接会う機会は激減した。お客様に 会えさえすれば説得できる能力のある営業マンも、お客様に会えな ければ得意の能力を発揮できない。宝の持ち腐れだ。人と人とが接 触することで情報を伝えあった時代。その時代にはいかに短期間に お客様と信頼関係を築けるかがカギだった。だから彼らはその技術 を必死になって学んだ。裏を返せば、お客様に会うこと自体はそん なに難しくない時代だった。しかし、今は違う。今はお客様に会う こと自体が難しい時代なのだ。わざわざ営業マンに会わなくても必 要な情報が得られるのに、リスクを冒して営業マンに会う人が どれだけいるだろう?少ないはずだ。
つまり、これから必要な営業力は、お客様にこの人と会いたいと思 わせる力なのだ。以前のように、会ってから信頼関係を築く能力で はなく、会う前に信頼関係を築く能力。それこそがこれからの営業 マンに求められる能力となる。この人に会いたい、この人なら安心 して相談できそう、この人なら信頼できる、それをお客様に会う前 に伝えられる能力が営業力となる。お客様と会ってからが勝負だった 時代からお客様に会うまでが勝負の時代に入ったということだろう。
ズバリ!Googleストリートビュー時代に勝ち残るための戦略とは?
インターネットも遂にここまで来たか、という感のあるGoogleスト リートビュー。不動産仲介サイトもそろそろ成熟期に入ったと言っ ても過言ではないだろう。星の数ほどある不動産仲介サイト。 「不動産仲介サイトなんてどこも同じ。違うのは会社だけ。」と揶 揄される状況だが、そんな飽和状態の中でも勝ち残る方法はある。 会社の規模の大小に関係なく資本がなくても勝てる方法だ。
キーワードは、「コンセプト」「セグメンテーション(市場細分化)」 「表現力」「ブランド」だ。まずは、「コンセプト」。今話題の旭川 動物園の例で考えてみよう。特別変わった動物がいるわけではない普 通の動物園だった旭川動物園。それが今や日本全国から観光客が訪れ る超人気動物園へと生まれ変わった。その最大の要因は、「コンセプ ト」の変更だ。
他の動物園が動物の姿、形を見せるだけの「形態展示」 をしているのに対し、旭山動物園は動物の野生に近い姿、特徴的な行 動を見せる「行動展示」に変えた。動物たちが野生で暮らしている現 場を再現し、そこでの生活スタイルを観客が見るというものだ。それ によって臨場感が生まれ、全く新しい動物園に生まれ変わった。不動 産仲介サイトもしかり。たいていの不動産仲介サイトの情報は、物件 の姿、形だけを伝える「形態展示」だ。当然そこには臨場感もなけれ ば生活スタイルも伺えない。つまり、旭山動物園のようにコンセプト を変え、展示方法を工夫するだけで人気サイトに生まれ変わる可能性 はあるということだ。異業種から学べる点はたくさんある。
次は「セグメンテーション」。
セグメンテーションとは市場を細分化すること。簡単にいえばターゲ
ットを絞るということだ。現在の不動産仲介サイトは大手不動産会社
をお手本にした総花的なサイトが主流となっている。住まいを探して
いる人すべてを対象にしたサイトだ。せいぜいエリアを絞る程度。
しかしそれでは多様化する客のニーズには応えられない。今のユーザー
は、自分のにぴったりというサイトや欲しい情報が見つかるまで労を惜
しまずネットサーフィンする人々である。年齢、性別、職業、趣味、嗜
好など、それぞれのターゲットに合わせて不動産サイトもセグメンテー
ションする必要がある。一社に1サイトという時代から一社に複数サイ
トの時代へ変化したといえるだろう。自社の強み、お客様の好みを再検
証して大胆なセグメンテーションをすることが成功のカギとなる。
そして次に大切なのが「表現力」だ。
レインズ、アットホームのおかげで情報量はどこも大差がなくなった。
言い換えれば、物件情報を数やスピードで他社と差別化することは難し
くなった。どこの不動産仲介サイトを見ても掲載されている物件はほと
んど同じ。お客様も薄々感じている。そんな中で他社と差別化する方法
は、物件をどのように紹介するかという表現力になってくる。写真がな
いよりは写真があった方が有利だろう。下手な写真よりは上手な写真の
方が好感度は高くなる。1枚より2枚、2枚より3枚の方が物件の魅力は
伝わるだろう。ネットオークションなどでは写真の撮り方だけで売上げ
は大きく変わってくる。異業種では必死になって工夫しているのに不動
産業界ではその重要性が理解されていない。写真だけではない。物件に
キャッチコピーやキャプション(写真につける解説)を付けるだけでも
イメージは大きく変わる。「ことば」は強力な営業ツールだ。
どんな「ことば」を使うか、どんな文章で紹介するかで、同じ物件が魅
力的にもつまらないものにも変わる。ベストセラーが本屋の店員が書く
POPから生まれるのは周知の事実だ。それほど強力なツールが「ことば」
なのだ。お客様に直接会って話しができた時代は、ことばを書く能力は
必要なかった。話す能力だけで十分だった。しかし現在のように直接お
客様と接する機会が少ない場合には書く能力は必須になってくる。話す
機会をつくるには、「ことば」を書いて気持ちを伝えられない限り会う
ことはできない。はじめに「ことば」ありきなのだ。ホームページで
どう物件を紹介するか、メルマガで何を書くか、どうすればメールを読
んでもらえるか、などすべては「ことば」次第。扱う不動産情報はどこ
も同じ、という状況のなかでいかにその情報に付加価値を付けるか、
それがカギとなる。「ことば」を制するものがネットを制すと言っても
過言ではないだろう。
最後に重要なのが「ブランド」力である。
インターネットが普及し、ネット環境が整い、ユーザーの検索能力が向
上した今、ネットユーザーの情報収集能力は営業マンと変わらないレベ
ルにまで達した。自分で調査、比較検討して決断できるお客様が増えた
のは事実である。しかしその一方で、情報過多のために逆に決断できな
い人も増えてきた。何を選んだらいいのかわからないと悩む人々だ。
インターネットはその手軽さから無責任な発言や間違った情報も氾濫し
ている。掲示板などはその典型であり、多くの誹謗中傷や、根拠のない
批判であふれかえっている。ヘビーユーザーほど決断できなくなるのは
そのためだ。結果として、お客様は安心、信頼して購入できる人やサイ
トを探すことになる。物件探しからサイト探しへ変わっていくのだ。
この傾向は真剣に考えているお客様ほど強い。彼らは徐々に、誰から買 うか、どのサイトから買うかに比重を置くようになる。だからこそ彼ら を一瞬で惹きつけるブランドづくりが大切になる。この人が紹介してい るから安心だ、このサイトが薦めているから間違いない、と思ってもら えるようなサイトづくり。それが重要でありブランドの基礎となる。 ○ ○だったら○○!そんなイメージを確立させることだ。しかし一朝 一夕にできないのがブランドづくりの難しいところ。一日も早くブラン ドづくりに取り組んだところが勝者となるのかもしれない。
まとめ。
- 必要な情報がインターネットで簡単に得られる環境では、今までと同じ集客手法(折込 チラシ・現地売出し、ポスティング)ではジリ貧になる。
- 今までのトップセールスマンが売れなくなったのは、営業力が落ちたからではない。営業力を発揮する機会が減ったからである。
- Googleストリートビューが普及すればするほど、今までの営業・広告手法は通用しなくなる。
- インターネットが普及する前、営業マンに求められた能力は、会ったお客様を短期間で説得する話術だった。しかし、インターネットの普及によってお客様と直接会う機会が減った今、必要とされる能力はこの人に会いたい、この物件を見てみたいとお客様に思わせる文章力である。
- 不動産仲介サイトはすでに飽和状態。今さら他社と同じコンセプトでは差別化できない。
- これからは斬新なコンセプトが集客マシンになる。SEO対策よりコンセプトの時代。
- 多様化するニーズに応えるためには、お客様の年齢、性別、職業、趣味、嗜好によるセグメンテーション(市場細分化)が必要となる。
- 一社1サイトの時代からターゲットごとにセグメントされた一社複数サイトの時代へ。
- 他社と同じ不動産情報をどうやって差別化するかがコンテンツのカギとなる。
- 「ことば」は最も強力で、最も安価な差別化のツールである。
- 市場成熟期における最強の集客方法は、サイトのブランド化である。
- 新しいコンセプト、新しいセグメントの中でブランド化をはかること。それが勝ち組への最短距離となる。